「acute angle(鋭角)」は数学で習ったけど、それ以外はあまり聞いたことがない…そんな経験はありませんか?
実は acute は「鋭い」だけではなく、「深刻な」「急性の」といった重要な意味も持っています。この記事では acute の5つの使い方 を例文とともに紹介します。
これを押さえれば、ニュースや映画、さらには日常会話でも意味を取りこぼさなくなるはずです。
単語解説
「acute = 鋭角」とだけ覚えていると、英語ニュースや日常会話で意味を取り違えてしまうことも。実はこの単語、5種類の使い方があるんです。
では、それぞれの意味と例文を順番に見ていきましょう!
鋭い(sharp)
意味
「acute」の最も基本的な意味は「鋭い」です。これは物理的にとがっている場合だけでなく、感覚や知覚が鋭敏であることも表現できます。特に数学では acute angle(鋭角) としてよく登場します。
例文

- An acute angle(鋭角)
An acute angle is smaller than 90 degrees.
(鋭角は90度より小さい角です。)
- An acute sense of smell(鋭い嗅覚)
Dogs have an acute sense of smell.
(犬は鋭い嗅覚を持っています。)
補足
「物理的にとがっている」イメージから派生して、「感覚が鋭い」「感度が高い」といった抽象的な意味でも使われます。日常会話では「鋭い感覚」や「敏感に感じ取る」といった表現に便利です。
sharp と近い意味を持ちますが、acute のほうが「専門的・正確・分析的」という響きが強いのが特徴です。
深刻な(serious)
意味
「acute」は「深刻な」「重大な」という意味でも使われます。問題や状況の深刻さを強調するときによく使われる表現です。
例文

- An acute problem(深刻な問題)
The city has an acute problem with traffic.
(その町には深刻な交通の問題があります。)
- An acute shortage(深刻な〜不足)
The country has an acute shortage of food.
(その国には深刻な食糧不足があります。)
補足
「ただ問題がある」だけでなく、緊急性や重大性が強い問題 を示すのが特徴です。
単に serious problem と言うよりも、「すぐに解決しなければならない深刻さ」を含むニュアンスがあります。そのため、ニュース記事・レポート・社会問題などの文脈で頻繁に使われます。
日常会話でももちろん使えますが、ややフォーマルな響きがあるので、状況の深刻さをはっきり伝えたいときに使うと効果的です。
急性の(medical term)
意味
医学の分野では、acute は「急性の」という意味で使われます。これは、発症が突然で症状が激しいものを指し、反対語は chronic(慢性の) です。たとえば「急性の痛み(acute pain)」や「急性の病気(acute disease)」などは、病院や健康に関するニュースで頻繁に登場します。
例文

- An acute pain(急性の痛み)
She is suffering from acute pain.
(彼女は急性の痛みに苦しんでいます。)
- An acute disease(急性の病気)
The patient has an acute disease.
(その患者は急性の病気にかかっています。)
ニュース記事でも「acute」はよく登場します。例えば、世界保健機関(WHO)が感染症についての実際の記事を見てみましょう。
In many countries of the Northern Hemisphere, trends in acute respiratory infections increase at this time of year.
北半球の多くの国々では、この季節になると急性呼吸器感染症が増える傾向にあります。
(引用 : World Health Organization(WHO)「Disease Outbreak News」2025年)
補足
この「急性の」という意味は、医療関連の会話や文章では非常に一般的です。英語ニュースや病院での説明でもよく使われるため、海外で医療を受けるときに知っておくと安心です。特に acute vs. chronic の対比は、医学英語の基本知識として覚えておくと便利です。
鋭敏な(perceptive)
意味
「acute」は、人の頭脳や感覚がとても鋭い・よく気がつく、といった意味でも使われます。ここでのニュアンスは「ただ頭がいい」というよりも、細かい点まで鋭く見抜ける力がある ことを表します。文章や会話の中では、人の観察力・判断力・感性を褒めるときによく使われます。
例文

- An acute observer(鋭い観察者)
He is an acute observer.
(彼は鋭い観察者です。)
- An acute mind(鋭い頭脳)
She has an acute mind.
(彼女は鋭い頭脳を持っています。)
補足
同じ「頭がいい」という意味でも clever や smart よりも、acute は「繊細に見抜ける」「細部に敏感」というニュアンスが強いのが特徴です。英語ニュースや評論文では「an acute analysis(鋭い分析)」などの形でも登場します。人の洞察力や判断力を評価するときに使える表現なので、覚えておくと便利です。
記号(acute accent)
実は acute には「記号の名前」という使い方もあります。
アルファベットの上についている ´ を acute accent(アキュート・アクセント) と呼びます。
例えばフランス語の café(カフェ) の「é」にあるこのマークがそうです。英語の単語そのものではあまり使いませんが、フランス語やスペイン語などヨーロッパの言語を学ぶときによく目にします。
「acute = 鋭角や急性」だけでなく、文字の記号の名前としても登場するのはちょっと意外で面白いですね。
まとめ
今回紹介したように、acute には大きく分けて5つの意味があります。数学では「鋭角」、ニュースや日常会話では「深刻な問題」、医学では「急性の病気」、さらに人の感覚や頭脳の「鋭敏さ」を表すときにも使われました。そして、意外なところでは「アクセント記号」の名前としても登場します。
一見バラバラに見える意味も、共通するイメージは「鋭さ」や「強さ」。この感覚を押さえておくと、英語ニュースを読んだり、映画を観たり、会話で耳にしたりしたときに「あ、これが acute だ!」とすぐに理解できるようになります。
単語を覚えるときは、こうした「使い方の広がり」を一度に整理するのが効果的です。もし今回の内容が役立ったと感じたら、ぜひこちらの記事も読んでみてください。図形に関連する英単語をまとめているので、数学用語の英語も一緒にマスターできます。